2005年11月号(通巻第684号)
特集 人間丸ごと育てよう

最新号表紙

表紙絵/池田ひろこ(横浜市・小学校2年)
「てぶくろを買いに」
(指導/今給黎博子)

特集の主旨

 日生連は長い歴史の中で何回も「子どもを育てる」「子どもが育つ」ということはどういうことなのかを真剣に議論して来た。「コアカリキュラムを創った時代。学びの系統性の批判を受けて「生活教育」とは、を語り合い考えあった時代。いつもその時代が提起する「人格の発達」と「学びの創造」を課題として掲げ、考え合って来たといっても過言ではない。

 人間を引き裂く(人間が引き裂かれる)差別、選別することに焦点化された教育政策によって導かれる今日の教育界の流れ、たとえば学力といえば学力テスト、心を育てるといえば「心のノート」、教師を育てるといえば、自由のない官製研修漬け、君が代指導に見られる心の忠誠管理に対し、私たちは「つながってこそ子どもは育つ」を繰り返し主張してきた。現場で子どもと向き合っている仲間は、バラバラにされている子どもたちをつなぎ、安心と信頼の中で「伸びて行く姿」に感動し、希望を未来につないでいる。今号では改めて人間が全体として(統一された人格の持ち主として)育ちあうことの大切さを考えあいたい。ここにしっかり食い込んだ理論的な、また実践に裏付けられた提起ができることを目ざして本号のテーマとした。


もくじ

グラビア/今こそ加賀で「銃口」を 加賀「銃口」を観る実行委員会

おや・おや 加賀「銃口」を観る実行委員会
“希望”への手つなぎ──「銃口」の取り組みから

表紙の絵 指導/今給黎博子

私もひとこと 小澤絢子
子ども学校を通して得たもの

連載/いま、改めて教育基本法を読む/第八回 西口敏治
共学の内実を豊かにしてきたもの──教育基本法第5条

連載/スクランブル*母として女優として人として/第26回 風吹ジュン

新連載/教育してます?/その8 内田春菊

新連載「宮沢賢治の四季」/第八回 三上 満
十一月──永訣の日、無声慟哭

特集/実践1 鬼頭正和現場教師の『学力』論──楽しさを基本的な視点として

特集/実践2 吉越良平生徒の学習要求からつくる授業

特集/実践3 原田宏美ウッちゃんのさけびを受け止める
──問題行動は、発達要求である……「こどものとらえ方」を竹沢さんに学んで──

特集/実践4 友田章二郎楽しみながら子育てを──竹細工の〈出前講習〉から学ぶ

論文1 梅原利夫今なぜ、総合的な人間像をめざすのか

論文2 藤本和久評価と同居する文化とカリキュラム

北から南から/教育・サークル情報 崔鍾順
韓国の平和教育と李五徳先生

実感のある学びをつくる授業 ※特集ページ増のため休載

研究部/子どもとともにつくる生活教育の実践 崎濱陽子
沖縄の良さを見つけ、沖縄から日本・世界を見つめる子どもたちに
研究部コメント
加藤聡一

今月のうた 繁下敏子/「あおぞら きぶん」
みてきいてよんで
横山尤子/「日本のペスタロッチーたち」
子どもの本棚/私の絵本一冊
國井 博・山本ケイ子・原田宏美
事務局だより
次号紹介・編集後記


編集後記

 編集後記担当。
 今月号の特集原稿をいつになく、何度も読んだ。趣意書も繰り返し読むと、ピッタリの実践と論文。すごい!
 「問題行動は発達要求」としっかり子どもを受けとめて学習を組みたて、ほんものの学力を。(原田実践)
 「楽しさ」が学習やものづくりの意欲に。仲間と共に学びあい、自己肯定感を生む。(鬼頭実践、竹田実践)
 生徒の学習要求から授業をつくる総合学習は、「高校生楽しいだろうね」と思いながら読んだ。(吉越実践)
 藤本論文は、評価、評定、理想的な授業について論じられ、なかなか手ごわい。
 戦後60年の教基法改悪の動きの中、梅原論文の二極化した人間像の5つの争点、私たちの綱は、仲間としっかり握って離さないぞと思う。子どもたちにつけたい「人間力」は……。
 読んでくださいね。
 学力テストの悪害、テスト測定可能な学力のみが取り沙汰され、競争に乗るか学習から逃避か二者択一をせまられている不幸な現代の子どもたちを「つながって育ちあう子どもたち」に、実践を通して。希望を未来につないでの今月号。(「編集後記」と言うより私自身の読後感想?)

(N)