2005年月号(通巻第680号)
特集 子ども達と算数・理科とのつきあい

最新号表紙

表紙絵/ひぐまみつき(横浜市・小学校1年)
「えいがをみたよ」
(指導/今給黎博子)

特集の主旨

 「できる、できない」に世間が大きな関心をもっている時に、子ども達はどのようにして自分の中で論理的な思考を育てているか。ややこしいことは丸暗記や感覚で通り抜けようとする子ども達。「時間がない」と嘆きながら教科書を突き進む教師達。今号では、そうではない学びの道筋を紹介したい。

もくじ

グラビア/フランス・フレネ学校

おや・おや 谷口佐貴子福岡東部子ども劇場の活動と私の子育て

表紙の絵 指導/今給黎博子

私もひとこと 田中真理子まっすぐな思いに出会う喜び

新連載/いま、改めて教育基本法を読む/第四回 横山尤子
全体の奉仕者として──教育基本法第6条によせて

連載/スクランブル*母として女優として人として/第22回 風吹ジュン

新連載/教育してます?/その4 内田春菊

新連載「宮沢賢治の四季」/第四回 三上 満
詩「岩手軽便鉄道 七月(ジャズ)──詩の楽しさを心ゆくまで

特集/実践1 園田洋一どうして物は横に引くほうが力が少ないの?
──6年生の力学、「見えない力」が見えるようになるとき──

特集/実践2 佐藤正敏意味がわかり、豊かな算数を

特集/実践3 原口 智中学・高校での理科の学びは

論文1 岩田好宏子どもの学びにとって科学とは

論文2 江川多喜雄理科でも協同の学習を

北から南から/教育・サークル情報 休載

実感のある学びをつくる授業 下鳥 孝ものや生活、そして人を見る目を育てる
──「おうちの人のしごとインタビュー」──

研究部/子どもとともにつくる生活教育の実践 藤井 景
つよしの中に平和学習はあった
研究部コメント
田村真広

今月のうた 木村 瞳「月見草」
みてきいてよんで
田代 卓『学校演劇で平和を学ぶ』
子どもの本棚
小松福三
事務局だより
次号紹介・編集後記


編集後記

 幼い日の砂場遊び。
 「山も作ったし、トンネルも掘った。あとはここに川があったらいいなあ」
 そして水を汲みに行く。でも何回運んでも川は流れない。流すそばから水は砂地に吸い込まれて行ってしまう。どうして川になってくれない?
 アサガオの花できれいな色水を作る。自分で作った不思議な色の世界。あしたまでとっておいて友だちに見せてあげよう。でもその「あした」になったときには、驚きと失望が待っている。あの美しい色はどこに行ってしまったの?
 自分は今何を考えたいと思っているか。何を知りたいと思っているか。そんなことをいつも考えているわけではない。生活の中のほんの一時、心の中を掠めて行くだけだ。でもそのことが、学びのテーマとして教室の中で、友だちがたくさんいる場で再現されたら、たちまち自分の生活は考える対象をもった場所になる。
 9kgの物を動かすにはどれだけの力がいる? ボールをもって走っている人が、ある所でボールを手から放したボールはどの地点に落ちる? 氷が溶けないようにするにはどうしたらいい? 「学ぶ者は何を問いとして持つか」という事のもつ重さ。生活の一こまが切り取られたところから学びが始まる。
 幼い時にいくつも出会った「不思議」な事柄が、ひとつひとつ「わけが分かった」感じになって「不思議な世界」は消えて行く。そして分かるおもしろさ、考えられる事への興味が、入れ違いに心の中に入ってくる。
 さらに「私はこう考えた」という自分の言葉で記録される学びの確かさ。
 心のなかに仕舞い込まれた「不思議」に繋がるかどうかの分かれ道。今号の実践はそれがどこにあるかを語りかけてくれる。なんと楽しいこと。(Y.Y.)