2004年11月号(通巻第672号)
特集 ひとが人として育つには

最新号表紙

表紙絵/あらいひかる(和光小学校2年)
おはなしの世界を表現する「てぶくろを買いに」
こぎつねが「ぼうしやさん」をさがしに町へやってきたところを描いた。
こぎつねのきもちになって描いた。
あたたかい光とつめたい雪道のコントラストが美しい。
(指導/落合利行)

特集の主旨

 人間の心は、コントロールされたりして育つものではなく、一人ひとりの子どもの様々な体験や学習、成功や失敗、挫折を越えて自己形成していくものではないだろうか。

 人は人と交わって育つ。人としての尊厳の教育なしに、「公共心」や「愛国心」は育たないであろう。人が傷つくときにも、人が立ち直るときにも、そこには人と人がいる。その関係の希薄さこそが、一番の問題なのではないだろうか。こんな時代だから、人とのつながりを深める取り組みが必要だと感じる。子どもが、“自ら育つプロセス”に、家庭や学校・教師はどう関わり、応援していったらいいのか。「ひとが人として育つ」ことの原点を探り、人と人のつながりについて考えたい。


もくじ

グラビア/夜間中学校訪問 東京・足立区立第4中学校夜間学級(小川裕子)

おや・おや 木賀千佳子、柳沢泰子
単純に、ただ単純に「平和」を叫んでいきたい
──作曲家・松下耕氏へインタビュー──

かんたん工作/つ・く・ろ 鬼頭正和

私もひとこと 野上ゆみ子
夏季全国集会に参加して

連載/第14回 風吹ジュン
スクランブル*母として女優として人として

連載「UNDERGROUND」/第8回 後藤竜二
ひま人たち

連載「教育、生活、宮沢賢治」/第20回 三上 満
夏から秋、賢治と

特集/実践1 山北眞由美
長崎からの発信──子どもと共に生きる地域・ネットワーク作りの取り組み

特集/実践2 藤田尚子
心地よく安心できる土壌があってこそ

特集/実践3 増田修治
ユーモア詩の教室から

論文1 能重真作
「心の教育」で子どもは人として育つか

論文2 庄井良信
響きあう身体の快復──「明るさ」強迫に苦しむ子どもからの〈SOS〉

北から南から/教育・サークル情報 藤野将睦
学生ボランティア奮戦記──僕らは「わく湧く水みず探検隊」

実感のある学びをつくる授業 江口美和子
仲間の中で、生命輝かせ──一七歳の少女の命の記録

研究部/子どもとともにつくる生活教育の実践 中山晴生
「あの枯葉はどこへいったのか事件」をおって
──総合学習「学びの物語」(第三巻から)
研究部コメント 小川修一

今月のうた川崎正美
みてきいてよんで 島田雅美
子どもの本棚 高間幸江
事務局だより
次号紹介・編集後記


編集後記

 今回のテーマは「ひとが人として育つには」でした。お寄せいただいた論文や実践を読んでみて、私たち大人に何ができるのだろうかと強く考えさせられるものになったと思います。

 長崎の事件でもそうだったように、問題が起こるとすぐに「教育基本法の見直しが必要」などという方向へ話が持っていかれがちですが、もっと子どもたちに寄り添って、そして、子どもたちと向き合っていかねばならないのではないでしょうか。

 私は、子どもたちの心の声をしっかり聞いていかなくては……、と改めて強く思いました。

(T)