2004年月号(通巻第668号)

特集 12歳の飛躍のために

最新号表紙

表紙絵/ひらい ようこ(和光小学校1年)
「シャワーをあびた」
プールがはじまる シャワーをあびた つめたい !! でもきもちいいなあ。※はじめてえのぐで描いた自画像
(指導/落合利行)

特集の主旨

 12歳、本来もっともエネルギーにあふれ、体も第二次性徴をくぐるなかで成長し、自分でものの見方を広げ、社会と自分をつなげて考えの深まる時。

 しかし、心身ともに不安定でアンバランスな時。だからこそ仲間との信頼関係を築き、自分らしさを探し始める。

 社会的に少年犯罪が広がりを見せる中、思春期の子どもたちは確かに何かを願い、全力で何かを実現させたいと思っている。

 こうした発達要求に教師や親ができることは何だろうか? 12歳の飛躍のために。


もくじ

グラビア/教室を変える 田中仁一郎学級

おや・おや 中野佳枝
親子でホッとできる場所、ありますか?
〜「みんなのそら」は子どもも大人も居心地満点〜

かんたん工作/つ・く・ろ 欅田ゆう子

私もひとこと 吉原公一郎
「目線」ということ

※風吹ジュンさんの連載は今月は休載です

連載「UNDERGROUND」/第4回 後藤竜二
祭り

連載「教育、生活、宮沢賢治」/第16回 三上 満
イラク人質問題と賢治の「銀河系」思想

特集/実践1 森川康弘
思春期の自分探しを励ます性教育

特集/実践2 相澤いと子
K君の自立を支えたもの
──〈児童自立支援施設〉で子どもと生活をともにして──

特集/実践3 山岡雅博
中学生活──本当の自信と仲間をつくるとき

特集/論文1 尾木直樹
大人への自立と思春期の発達課題
──成長への環境を奪われた今日の子どもたち──

特集/論文2 小木曽 宏
12歳のイニシエーション

北から南から/教育・サークル情報 中河原良子
東京・西多摩青梅からの「平和教育」レポート

実感のある学びをつくる授業 富山泰正
子どもがつながりあう──学級づくりで大切にしたこと

研究部/子どもとともにつくる生活教育の実践 田中仁一郎
子どもが綴る「総合物語」──子どもはみんなマルコ・ポーロ
研究部コメント 藤本和久

今月のうた 繁下敏子
みてきいてよんで 梅原利夫
子どもの本棚 野間成之
事務局だより
次号紹介・編集後記


編集後記

 今月号の編集後記を書こうとした矢先、長崎で事件がおきた。言葉を失う。また、起こってはならないことが起こってしまった……。

 昨年7月、長崎中学1年生による幼稚園児誘拐・殺人事件、赤坂6年生女児監禁事件。12歳がキーワードになる事件が続けて起こっている。

 なぜ、こういう事件が起こるのか?と誰もが思う。

 「酒鬼薔薇事件」以降、少年法は改定された。しかし、刑罰を重くしても事件は続き、原因を解決するものになっていない。

 文科省がはじめた「心の教育」。先に答えありきの「心のノート」で本当に子どもの心は育つのだろうか? 内容・方法ともに疑問の声が多くあがっている。また、「個性重視」という表現の露骨な差別選別、エリート育成も、学べば学ぶほど友達関係は切り裂かれ、勉強嫌いが増える傾向を変えていない。

 12歳。本来もっともエネルギーにあふれ、体も心も大きく成長しはじめる時期。また、不安定でアンバランスな時期。

 試行錯誤をしながらも、仲間と本当の信頼関係を築きたい。自分らしさを見つけたい。懸命に生きようとしている子どもたち。それにこたえる教育は何なのか、今号で少しでもそこが見えてくることを願う。

(和田)